新聞の片隅に紹介されていた『死の蔵書』という題名に惹かれ、同じ作者の新作を手にとった。柳の下の二匹目の泥鰌をねらったのか、前作とよく似た邦題になっている。原題は“The Bookwoman's Last Fling”「fling」は、「向こう見ずな挙動、浮気、憤激」を表す…
『随想』は、蓮實重彦の最も新しい単行本。雑誌「新潮」に連載した15本のエッセイを集めたものである。律儀なことに一章が四百字詰め原稿用紙28枚分。小見出しなしの一行あけ三部構成で、各章の冒頭は日時が記載されるという極めて厳密な形式で構成され…
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