青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2013-09-25から1日間の記事一覧

『偶然の音楽』ポール・オースター

「まる一年のあいだ、彼はひたすら車を走らせ、アメリカじゅうを行ったり来たりしながら金がなくなるのを待った。こんな暮らしがここまで長く続くとは思っていなかったが、次々にいろんなことがあって、自分に何が起きているのかが見えてきたころには、もう…

『ムーン・パレス』ポール・オースター

「それは人類がはじめて月を歩いた夏だった」という書き出しから、作品の舞台になっているのが1969年と分かる。主人公はボストン生まれのM・S・フォッグ。早くに母を亡くし伯父と暮らしていたが、四年前にコロンビア大学で学ぶためニュー・ヨークにやって…