青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2014-10-05から1日間の記事一覧

『わたしは灯台守』エリック・ファーユ

九篇の短篇を収める短篇集である。その味わいを一口にいうなら「不条理」だろうか。特にその感が強いのは、国境に造られた壁を上り、その上からの眺望を楽しみに登りはじめた男が、様々な障害にあい、なかなか上層階にたどり着けない状況を描いた「国境」に…