青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2014-10-07から1日間の記事一覧

『黒ヶ丘の上で』ブルース・チャトウィン

何故今まで邦訳がなかったのだろう、と読み終えて思ったほどの重厚な長篇小説。いかにも英国小説らしい、田舎に住む一族の一世紀にわたる年代記である。とはいえ、読み始めたばかりの頃は、これがあのチャトウィンか、と首を傾げたくらいの地味な作風。『パ…