青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2014-10-13から1日間の記事一覧

『夜のみだらな鳥』ホセ・ドノソ

ふつう小説を読むとき、読者はその小説を書いた作者や、語り手(話者)のことを意識せず、作品世界のなかに入ってゆく。まれに19世紀の小説などで、作者が語り手の口跡を借りて直接読者に語りかけることもあるが、それとて、すぐに背後に退き、小説世界はそ…