青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2015-11-11から1日間の記事一覧

『迷子たちの街』 パトリック・モディアノ

まずは二度読んでほしい。初読時に読み過ごしていた人名や住所、年月日といった、一見細々と感じられる記述に何度も立ちどまり、作者が行間から目くばせしているのに気づくはずだ。訳者は「訳者ノート」の中でうまい比喩を用いている。初めの読みは助手席か…