青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2016-09-15から1日間の記事一覧

『イーヴリン・ウォー傑作短篇集』

今年2016年は、イーヴリン・ウォー没後50年にあたる。英国でも四十巻をこえる全集が出版され始めたと解説にあるが、日本でもここのところ、各社から出版が相次いでいる。日本ではさほど知られていないが、二十世紀イギリス文学を代表する一人である。吉田健…

『邪眼』 ジョイス・キャロル・オーツ

表題作のタイトルにもなっている「邪眼」というのは、<evil eye>(邪視)のこと。悪意を持って睨みつけることで、相手に呪いをかける行為を指し、世界各地に民間伝承が残る。邪視から身を守る護符のことをトルコでは、ナザールと呼ぶ。同心円状に色の違う…