青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2016-09-19から1日間の記事一覧

『ほとんど記憶のない女』 リディア・デイヴィス

最初に読んだのは、今は別の男と暮らす女が過去の失敗に終わった恋愛を回想するという小説を執筆中の作家が交互に主人公を務める、『話の終わり』だった。 abraxas.hatenablog.com リディア・デイヴィスは、プルースト『失われた時を求めて』第一巻『スワン…

『風狂 虎の巻』 由良君美

ちくま文庫から『みみずく偏書記』、『みみずく古本市』、平凡社ライブラリーから『椿説泰西浪漫派文学談義』と、ここ何年かの間に由良君美の復刊が相次いでいるのには何かわけでもあるのだろうか。ここへ来て、青土社が『風狂 虎の巻』を新装版で出すに至っ…