青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2016-12-30から1日間の記事一覧

『ウインドアイ』 ブライアン・エヴンソン

全二十五編の短篇集。いちばん短いものは二ページに満たない掌編。確かに短いが、それだけに恐怖感が煮凝り状に凝縮され、飴色をした琥珀の薄明りの中に蟻ならぬ恐怖の本体が閉じ込められている。エヴンソンの物語は、突然訳も知らされずに絶望的な状態の中…