青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『ローラのオリジナル』ウラジーミル・ナボコフ

ナボコフの未発表の遺作と聞けば、ファンでなくとも色めき立つ。あの『ロリータ』が作家自ら火中に投じられようとしていたのを妻が気づいてとめたことによって世間に知られることになったのは有名な話だが、『ローラのオリジナル』も未完成であるが故に作家…

『クーデタ』ジョン・アップダイク

ラテン・アメリカ文学には独裁者小説というジャンルがあると訳者である池澤夏樹が月報に書いている。ガルシア=マルケスの『族長の秋』、バルガス=リョサの『チボの狂宴』と、既読のものでも指が折れるくらいだから、多分ジャンルとして成立するのだろう。…

湯川温泉

年度初めから公私ともに多忙で、日ごろ極楽とんぼをきめこんでいる身としては、からだがいくつあっても足りないという感じ。した方がいいだろうけども、しなくてもかまわない仕事は一時おあずけにして、久しぶりにまだ訪れたことのない温泉の探索に出かける…