青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『アヴィニョン五重奏Ⅰムッシュー』ロレンス・ダレル

五つの小説はいつも誰かの死を告げる知らせからはじまるのだろうか。本作では、友人ピエールの死を知らされたブルースが思い出の地アヴィニョンに向 かう。ピエール・ド・ノガレは、ブルース・ドレクセルの無二の親友にして、妻のシルヴィーはピエールの妹で…

『アヴィニョン五重奏Ⅱリヴィア』ロレンス・ダレル

ロレンス・ダレルには、『アレクサンドリア四重奏』という代表作がある。一冊ごとに独立した小説として読める四篇の小説が、それぞれのパートをつとめることで、四篇を重ね合わせて読むと、単独で読んだ時とはちがって、一段と厚みのある作品世界が現れてく…