『ロンド』の作者が満を持して書いた長篇第二作である。北斎の「赤富士」のように、墨一色で描かれた富士の絵をめぐるミステリかと思って読みはじめたのだったが、どうやら違っていたようだ。富士山を舞台にした伝奇ロマンとでもいえばいいのだろうか、国枝…
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