青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2014-10-27から1日間の記事一覧

『眩暈』エリアス・カネッティ

天窓以外に窓という物を持たぬ四部屋のなかに二万五千巻の貴重な典籍を収め、朝七時からの一時間の散歩を除けば、一日を書卓の前に孤座し、思索に耽る孤独な長身痩躯の学者こそ、ペーター・キーンその人である。一部屋に寝台替わりの寝椅子、他には肘掛け椅…