青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2021-09-25から1日間の記事一覧

『小説ムッソリーニ 世紀の落とし子』上・下 アントニオ・スクラーティ 栗原俊英 訳

<上下巻合わせての評です> これは、戦後イタリアではじめて真正面からファシズムを描いた小説である。では、今までなぜそれができなかったのか。それは、偏にムッソリーニという人物のキャラクターにある。ある種の能力に恵まれてはいても、等身大の彼はど…