青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『ブリーディング・エッジ』トマス・ピンチョン 佐藤良明+栩木玲子 訳

原題は<BLEEDING EDGE>。辞書によれば「技術などが開発最先端の(テスト段階にある、試作的な、アルファ版の)通例、安全性・実用性などが十分に確認されていないもの」を指すらしい。作中にコンピュータおたく二人が開発した「ディープ・アーチャー」とい…

『台北プライベートアイ』紀蔚然 船山むつみ 訳

原題は<Private Eyes>。私立探偵を表す「プライベートアイ」はふつう<Private Eye>と単数扱いだ。語り手は別の説を挙げているが、あまり説得力があるとは言えない。小説の終わりに、主人公である呉誠(ウー・チェン)の手助けをするタクシー運転手が、正…

『シブヤで目覚めて』アンナ・ツィマ 阿部賢一 須藤輝彦 訳

一口に言えば、夭折により作品数が極めて少ないマイナー・ポエットの未発表原稿をめぐる探索行。いうところのビブリオ・ミステリである。本に関する蘊蓄が熱く語られるのが、この手の作品の常道で、そういう衒学趣味的な部分を愛する読者には喜ばれるにちが…

ひさしぶりのトリミング

書斎で本を読んでたら、見えないところでクウクウ、寝息が聞こえた。 いつの間にか、ニコが来て、椅子の上で丸くなっていた。 そっと頭を撫でたら、ニコが目を覚ました。 で、散髪したての顔の記念撮影。 少し調子が悪くて、一回トリミングの予定をキャンセ…