《上・下巻合わせての評です》 待つこと久しというが、これほど長く待たされると、待っていたことさえ忘れてしまう。本棚から手持ちの本を取り出して奥付を調べてみた。平井呈一訳の思潮社版『おとらんと城綺譚』が出たのが一九七二年、矢野目源一訳の牧神社…
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