『話の終わり』 リディア・デイヴィス

作者自らが語るところによれば、この小説のテーマは「いなくなった男の話」だそうだ。主人公の「私」は、西海岸の町に住み、翻訳業で何とか食べている女性。巻末の著者略歴によれば、作者本人もフランス文学の翻訳者として知られる。作者自身と思われる「私」が、たびたび登場し、今書きすすめつつある「いなくなった男の…