青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『落語の国の精神分析』藤山直樹

著者は日本にたった三十人ほどしかいない精神分析家にして、年に一度はみっちりと新ネタを仕込んで客に披露する落語のパフォーミングアーティスト (職業的落語家ではない)である。小さい頃からの落語好きが嵩じて、喰いっぱぐれる心配のない今の職業につい…

『こころ朗らなれ、誰もみな』ヘミングウェイ

柴田元幸が自ら選び訳したヘミングウェイの短篇集。時代的には初期の短篇集『われらの時代』から晩年の未完の長篇『最後の原野』まで、舞台も時代も異なる作品を集めた19篇から成る。熱狂的なファンは別として、髭面の写真に「パパ」という愛称、それに映…