青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2019-06-18から1日間の記事一覧

『アメリカン・デス・トリップ』上・下 ジェイムズ・エルロイ

<上・下巻併せての評です> アメリカが清らかだったことはかつて一度もない。悪党どもに幸いあれ― 「電文体」が帰ってきた。一文が短い。まるで電報。一文に単語が五つ以上使われることは滅多にない。新聞の見出しが躍る。電話の録音の書き起こし。マフィア…