青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2019-07-30から1日間の記事一覧

『ある一生』ローベルト・ゼーターラー

読ませようという気があるのか、と言いたくなるタイトル。原題が<Ein ganzes Leben>だから、直訳だ。すべてが、ここに集約されている。削りに削りまくった、飾り気とか色気とか、そういうものが一切ない、必要最小限度のもので成立している長篇小説。長さ…