青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2015-10-10から1日間の記事一覧

『死を忘れるな』 ミュリエル・スパーク

ほとんどの登場人物が七十歳をこえている。こういう用語があるかどうかは知らないが、いうならば「老人」小説。わが国にも川端康成の『眠れる美女』や谷崎の『瘋癲老人日記』といった立派な老人小説が存在するが、ミュリエル・スパークのそれは、特異な性癖…