青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

2022-04-18から1日間の記事一覧

『無月の譜』松浦寿輝

吹けば飛ぶような、将棋の駒に命を懸けた二人の若者の短すぎた青春を悼む鎮魂曲。一人は棋士を、もう一人は将棋の駒を作る駒師を目指していた。行く道も、時代も異なる二人をつなぐのが将棋の駒だ。鎮魂曲に喩えたが、哀切極まりない曲調ではない。主人公の…