青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

「ニコ紹介」

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わが家に三年ぶりに猫が来た。ヒマラヤンの雌で名前はニコ(Nico)。初代の猫の名がニケだったので、女神つながりの名前を考えたのだけれど、どうもぴったりこない。そこで、電話帳ではないが、ニケの次の娘だからニコということにした。8月20日が誕生日だったので、家に来たときは六歳ということになる。

猫好きの二男から県北部にある猫カフェの話を聞いた妻は、スマホに残る猫の写真の可愛いのに驚いた。何でもそこの猫は、ブリーダーが繁殖用に育てていた猫で、用が済むと処分されるのを引きとっているらしい。お見合いをして双方が気に入れば里親になれる仕組みだ。二ケと同じ長毛種の雌を探していた妻は早速自分で車を運転して見に行くというのでお供した。

すぐにでも連れ帰りたそうな妻の頭を冷やすために、その日は帰ってきたものの、二度三度と通ううちにもう辛抱ができなくなったらしく、長毛種の雌でいい子がいたら見合いがしたいという。猫カフェにその由を伝えると、しばらくして五歳のヒマラヤンの雌がいるが、人の手を怖がるし、他の猫と一緒に暮らすのが難しいので別のところに預けている、という一報が入った。

家には人間以外動物はいない。馴れてくれるかどうか五歳という年齢が気になったが、ニケがそうであったようにこれもひとつの邂逅(めぐりあい)である。相性が合うかどうかは会ってみなければどうともいえない。日時を決めて見合いすることにした。キャリーから出すとパニックになるというので、蓋だけあけてそっと頭をなでると気持ちよさそうに目を細めた。シールポイントというらしく目鼻の周りと耳、それに尻尾と脚だけがこげ茶色をした独特の毛並みで、 力のある眼の色はブルー。一目で気に入った。

その日、背中にかさぶたのあるのが分かり、病院で見てもらった後でトライアルということになった。ケージやトイレを準備して待つこと二週間あまり。きれいになったというので、新調したキャリーを持って迎えにいった。家から一時間半ほどで到着。毛並みも前よりふわふわになり、可愛いことといったらない。挨拶もそこそこに連れ帰り、今日に至る。

ケージには結局一度入っただけ、ハンモックも一回乗っただけで、あとはトイレと食事に使うだけ。朝夕二回のブラッシングもさせるし、喉もゴロゴロ鳴らしおもちゃでもよく遊ぶ。人に馴れない子なので、里子に出すのは無理かもと猫カフェのご主人は考えていたらしく、普通一週間のトライアル期間を期限を切らずに出してくれたのだったが、その心配は杞憂に終わった。

背中の他、首の回りにもぼつぼつが見つかったので皮膚専門の動物病院で診察を受け、現在投薬中。えさに混ぜると食べてくれている。真菌のせいだとすれば、二週間ほどの辛抱らしい。元気にしているのであまり心配はしていない。早く膝に乗ってくれるようになるのを心待ちにしている。