青玉楼主人日録

仮想の古書店「青玉楼」の店主が、日々の雑感や手に入った新刊、古書の感想をつづります。

「家に居ます」

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昼間は入院して静脈点滴、夜は外泊許可をもらって我が家で寝ていたニコ。連休中は先生が東京出張ということもあり、点滴の管をはずしてもらって家に帰ってきている。検査の数値だが、黄疸の方は確実に下がってきているが、ステロイド投与によって肝臓の数値が、また蛋白の数値も上がっている。蛋白の数値の上昇はコロナウィルスが関与している疑いがあり、またその検査もしなければならない。

ただ、食欲が出て、食餌を食べることができるようになり、点滴に頼らなくても薬をのませることができるようになった。それで一日中家にいることができる。朝と夕方、ウェットタイプの餌に錠剤を半割りにした薬をいくつかに分けて混ぜて飲ませている。これが、なかなか厄介だ。薬の味に気がつくと、それ以上餌を食べなくなってしまうのだ。病院から渡された缶詰は、療法食で栄養価が高くされている。これを食べないとただでさえ貧血気味のニコの体がもたなくなる。現在31.5kg。これ以上は痩せられない。

カリカリも食べるのだが、一口で食べる量がわずかで、大食いをしない。小分けにして少しずつ食べるスタイルは、今まで預けられていたところが、ドライタイプの餌は一日中出しっぱなしだったせいだろう。いつでも好きなときに食べる癖をつけると、薬を飲ませるのに苦労する。医者は食事時間は十五分ときめ、あとは食べても食べなくても下げるようにというが、それではニコはたまらない。空っぽの餌の場所を見ては、もっと頂戴というようにこちらを見上げる。その目に負け、ついついお代わりを出してやる羽目になる。

今朝も、薬の残りが混じった餌は、何度も鼻でくんくんしては食べずに戻るので、根負けして薬の入ってないものを与えたが、やはり少量食べて満足して、お気に入りの膝掛けのところに戻ってしまった。昨日とはうって変わった晴天。二階の寝室には南からの日が差している。抱っこして、二階用の膝掛けを敷いた上に置いてやると、気持ちよさそうにひなたぼっこを始めた。妻は横のベッドで読書中である。この穏やかな日々は13日まで続く。水曜日にはまた血液検査に行かねばならない。

家で夜を過ごしても、病院に行く時間になると、落ち着きをなくし、机の下のほうに隠れてしまうニコ。このストレスがコロナウィルスから発症する猫伝染性腹膜炎FIP)にはいちばんよくない。何かを治すために病院に行くが、その結果、別のところが悪くなる。真菌を治す薬で黄疸になり、それを治すための薬で肝臓が悪化。果ては治療法も確立されていないFIPを心配しなければならない。何のために医者通いをしているのか分からなくなってきている。

何とかこの数日の間にストレスから解放され、数値が下がることを祈るばかりだ。遊んでほしいときは妻ではなく、ぼくのところにやってきて、おもちゃのある場所まで連れてゆく。遊んでいるときは元気だが、あまり熱中すると体にひびくのを心配した妻が「あなた、もうそろそろ」と声をかける。まだしてたそうなニコと目を合わせながらもおもちゃをしまう。体の疲れない遊びってないものだろうか?思案中である。